moviva22006-11-21

就活をしている時、自分にとって“アツイもの”が何なのか良く分からなくなってしまった時がある。それは、自分が今まで一番時間を割いて続けてきた事と、まったく逆の道に向いていたから。
「自分って結局なにができるの?」
と、思った。大学4年間が終わろうとしているのに、やっていたつもりで、何も出来ず、結果も出せていない。大学生活を楽しんでいるだけにみえた友達も、なにげに留学やインターン経験をしていて、それを生かした仕事に就いていく。ずっと立派に世の中を渡っていくだろうと思った。
そこで私はぐんぐん進んでいくその友達に「今、あなたのアツイもの、ツボってなに?」と聞いて回ってました。



▼「音楽」と、答えてくれた友達は洋楽が好きで、英語は授業でしか取ってないにもかかわらず、どうやらコミュニケーションがとれるらしい。しかも幼児教育科なのに声楽は声楽科並という特技の持ち主。ちなみにバレエもできます。
そんな彼女は【保育士】に内定しました。これは彼女の小さい頃からの夢でした。

彼女は特技で大好きな歌や、英語には向かわなかった。(多少ゆれたにしろ)そのかわり、【保育士】という夢を実現させ、好きなことに向かう時間が減ったとしても、『自分の出来ることを一生懸命やって生きていこう』と、思っているそうです。


▼「バイク」と、答えてくれた友達は旅行が大好き。それもバイクでの。「どうしてか?」と聞くと「自分でどこへでも行けるから」と。彼は【部品メーカーの技術職】に内定しました。バイクが好きになって、自然と興味を持つようになったそうです。

彼は理系で流体工学(!?)というものを学んでいて、コマツの建機を見学した時に友達になりました。機械の動く仕組みを語るときは、旅行の話をするのと同じくらい楽しそうでした。好きなことが仕事につながっていて、その先には趣味がある。。








『パティシエ  杉野英実さん』
子供のころお母さんの買ってきてくれた美しいケーキに見せられお菓子づくりの道へ入り、「ほかのどこにもない菓子」を作るパティシエになった。自分を喜ばせてくれたケーキ。だから自分も「人を幸せにする菓子」をめざす。
杉野さんが世界一流のパティシエになったきっかけを作ったのは、ホテルオークラでの見習い時代に友達に言われた「あなたには、何ができるの?」という言葉だそうだ。



◆自分らしさ〜周りとの差別化〜
バレエ学校をでた生徒がバレエ団に入りプロのなっていく。コールド(群舞)からソリストになれるか?
バレエを子どもの時から続け、身に付けたダンサーが世の中に出る。そして「あなたは、どんな踊りが踊れるの?」と問われる。はたから見ればバレエ学校を卒業しただけの技術があれば素晴こと
、しかし彼らにとっては卒業してからが自分探しなのだと思う。(学校時代から考えている人もいると思うが)

これと同じように、一流ホテルで働けることに満足していた杉野さんは、ホテルのパティシエの独りではなく「ほかのどこにもない菓子」を作るパティシエになりたいという壁にぶつかった。そして、それを留学という形で漕ぎ出した。
バレリーナも、自分の中からだけでは足りないと思ったら、外へ学びに出る。自分は何を面白いと思うか?センスは?キャラクターは?驚くことに、お菓子のレシピは、店が違ってもだいたい料理学校で習ったものと同じらしい。表現するパティシエによってまったく異なっていくものなのだ。踊りの基礎、そして古典の作品があるクラシックバレエのダンサーは、“どんな絶品スイーツを作るか”というところ。



◆プロフェッショナルと努力
杉野さんがたどりついたもの(面白いと思ったもの、極めたいと思ったもの)は「当たり前のことができたら、本当に美味しいものが作れる」ということ。完璧主義。しかし、100点満点ができて、それでお客さんが喜ぶ瞬間の甘みとか、幸せが彼に「この職業が天職だ」と言わせる。

自分の喜びが他人の喜びに繋がる仕事(職業)が究極だと思う。「常に誰かの期待に応えたいし、自分も満足したい。」しかし、杉野さんが海外で弟子入りできず苦労したり、慢性の腱鞘炎になっていたり、期待へのプレッシャーが押し寄せてきても、そこから逃げず、一つのことに努力できるのがプロフェッショナルだ。


前へ進むエネルギー=継続と進化となるのがプロフェッショナル